屋敷林(旧こどもの森)

2020年9月28日 (月)

シラカシ倒木のカシナガ再調査(2)

今日は倒壊したシラカシの木を再調査しました。前回は、曇天で暗かったため、晴れた明るい日を選び、今日になりました。
また、今日は、直径1.2mmの銅線、0.85mm(赤)・1.2mm(青)・1.5mm(黄)のビニール被覆付ワイヤーロープを用意し、これらが穿入孔に入るか否かで判定することにしました。

さて、フラスをかきわけて孔を探し、明るい光の中でよく見ると、大きめの孔と小さめの孔があることに気がつきました。どうやら、1.2mmのワイヤーが入るか否かで、ヨシナガかカシナガかが判定できそうです。

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下の写真は大きめの孔。1.2mm(青)のワイヤーは入ります。1.5mm(黄)が入る孔は稀でしたが、カシナガでしょうか。

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下の写真は小さめの孔。1.2mm(青)のワイヤーは入りません。0.85mm(赤)が入らない孔もありましたが、こちらはヨシブエでしょうか。

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ところで、大きめの孔に1.2mmの銅線を挿しておいたら、穿入孔から入ろうとしていたキクイムシを発見しました。1.2mmの銅線より少し太そうだから、カシナガでしょうか。

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一方、小さめの孔にも、キクイムシが入ろうとしているのを発見。赤の0.85mmと同じくらいか、少し太いか。こちらはヨシブエでしょうか。

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というわけで、この倒木にはヨシブエとカシナガの2種類が穿入していると思われますが、私たちは専門家ではないので、断定は禁物です。あとは、専門家の判定にまかせたいと思います。

仮に、カシナガがいるということになると大変。このまま放置すると来年6月頃にはとんでもない数の成虫が飛び出し、生木にマスアタックするので、何らかの処置をしなければいけません。

(山田)

2020年9月19日 (土)

シラカシ倒木のカシナガ再調査(1)

屋敷林のシラカシ倒木ついては、ヨシブエ(ヨシブエナガキクイムシ)の他に、カシナガ(カシノナガキクイムシ)が穿入している可能性があるとのことで、今日は5人が集まり、再調査に挑みました。

カシナガとヨシブエの穿入孔の違いは、爪楊枝を差してみて、先端から5mm入るか、2mm入るかの違いです(孔の直径の違い)。

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これが簡単そうで、なかなか難しいのでした。下の写真は、幹が裂けたところの穿入孔ですが、爪楊枝の先端はちょっとしか入らないから、ヨシブエと思われます。

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ところが、幹の部分では、シラカシの木肌はゴツゴツしているので、先端が入る深さの測定には誤差が生じます。3~4mm入っているようですが、5mmは入っていないように思えます。これをカシナガと断定していいのかどうか・・・。専門家なら簡単に見分けられるのでしょうが、素人では自信がありません。

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加えて、この日は14時から調査をはじめましたが、曇天で暗く、フラスをかきわけて穿入孔を探すのがタイヘンです。16時を過ぎると暗くなってきたので中断。後日、調査方法を検討した上、晴れた明るい日に再々調査したいと思います。

(山田)

2020年9月16日 (水)

カシナガ被害木の調査

今日は、森林総研の加賀谷氏を招き、屋敷林のカシナガ被害木の調査をおこないました。
育む会が屋敷林の胸高直径20cm以上のブナ科樹木79本を調査した結果、カシナガが穿入したと思われるものは6本(シラカシ5本・スダジイ1本)でしたが、この日は特にフラス(木屑)が多く認められたシラカシの立木2本と、別途すでに倒壊しているシラカシ1本について、現地調査をおこないました。

下の写真は、8日にカシナガと思われる甲虫が大量にトラップにかかったシラカシの立木。
9日に採集した液浸標本を渡して同定を依頼しましたが、後日、実体顕微鏡で調べた結果、カシナガ(カシノナガキクイムシ)との連絡をいただきました。

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下の写真も、大量のフラスが認められた別のシラカシの木です。

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これら、2本のシラカシ被害木については、カシナガによるものとのことでした。
ただし、シラカシはコナラに比べてカシナガに対する抵抗性が強いので、この程度の穿入ならば、ただちに枯れるようなことはないだろうとのことでした。

一方、下の写真は、シラカシの倒壊木を調査しているところです。

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これについては、加賀谷氏が調べた穿入孔はヨシブエ(ヨシブエナガキクイムシ)だったとの連絡を後日いただきましたが、同じ木にカシナガが穿入することもあるので、再調査してほしいとのことでした。

ヨシブエは生木にはマスアタックしないので安心、カシナガは生木にマスアタックするので、焼却等の処分が必要とのこと。後日、育む会で再調査することにします。

(山田)

2020年9月11日 (金)

カシナガ被害木の予備調査

今日は7名が参加して、カシナガ被害木の予備調査をおこないました。16日に専門家が来るので、それまでに被害の実態だけでも調べておきたいからです。

ところで、屋敷林には、8月上旬に倒壊したシラカシの木があります(倒れた原因はカシナガではない)。その場で育った木は、その場で土に返るのを見守りたいところですが、カシナガの問題があるので、現在、処理を検討しています。

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その、倒壊したシラカシの木には、写真のようにフラス(木くず)がたくさん見えます。カシナガらしきキクイムシがマスアタック(集中穿入)したことを示しています。

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フラスの位置は、立っていれば高さ10mとか20mのところですから、マスアタックは倒壊後かも知れません。カシナガの穿入は、通常は根元付近だけで、1020mという高い位置にはあまり穿入しないからです。
この倒木には数百のフラス(穿入孔)があります。そのまま放置すると来年には1万頭を越えるカシナガ成虫が飛び出し、感染が広がる可能性もあります。成虫が飛ばなくなる11月下旬~5月の間に、何らかの対策をおこなうことことになると思います。

カシナガがマスアタック(集中穿入)する理由は・・・。
カシナガの穿入を受けた木だって、樹液を出して戦います。穿入したカシナガが少なければ、カシナガは負けて木が勝ち、勝った木は、その後はカシナガの穿入は受けにくいとされています。“免疫”みたいです。
そこでカシナガは、フェロモンで仲間を呼びます。集中攻撃すれば、木に勝ち目はありません。カシナガは多くの子孫を残すことができるます。
屋敷林のシラカシの倒木は、倒れたことによって木の戦う力も無くなり、マスアタックを受けたのかも知れません。
しかし、カシナガの攻撃を一身に受けることにより、他の木を守った!! と考えることもできます。

ちなみに下の写真。カシナガらしきキクイムシが掘って出したフラス(木屑)の拡大写真です。

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カシナガの成虫は、木を掘って坑道に卵を産みますが、幼虫のエサは木屑ではなく、成虫が坑道内に植えた酵母です。多くの昆虫は、母親が卵を産んだら産みっぱなしですが、カシナガは人類よりはるか前に“栽培”みたいなことをやっていたわけです。
また、卵は少しずつ産むようで、先に生まれた幼虫は、遅れて生まれた弟や妹の世話をすることがわかっています。
一部のハチやアリのような分業化した“社会”とまでは言えませんが、家族のような生活、そして仲間との協働によるマスアタック。こういった、カシナガの生態を知ると、愛情みたいなものも感じてきます。

長文、読んでくださり、ありがとうございました。

(山田)

2020年9月 9日 (水)

トラップにカシナガ?がかかる

気になる“カシナガ”(カシノナガキクイムシ)は、“ナラ枯れ”の原因となる糸状菌を運ぶ昆虫です。カシナガは集合フェロモンを出して、1本の木に集中して集まり、木を枯らすことが知られています。
そのカシナガのこと。昨日(98)、屋敷林のトラップにたくさんかかった・・・との連絡があったので、行ってみました。

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現在、屋敷林には50個以上のトラップが仕掛けてありますが、そのうちの1本の木の複数のトラップに、大量のカシナガらしき小さな甲虫がかかっていました。

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きちんと数えていませんが、1000頭以上はいるものと思われます。カシナガかどうかは、専門家が顕微鏡で調べないとわかりません。16日には専門家の方がみえるので、新鮮なうちに管ビンに入れ、液浸標本にしました。きちんと同定してもらおうと思います。

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追記:専門家に顕微鏡で調べてもらった結果、カシノナガキクイムシであるとの連絡をいただきました。

(山田)

2020年8月27日 (木)

「カシナガトラップ」

今、関さんの森(屋敷林)で心配なのは、“カシナガ”(カシノナガキクイムシ)です。
カシナガは、“ナラ枯れ”の原因となる糸状菌を運ぶ昆虫。生態系の中では分解者ですが、林業や森林管理の立場では困った昆虫です。カシナガによるナラ枯れは、今年になって松戸市内の里山でも発見され、関さんの森でもシラカシの木にカシナガによるフラス(孔を掘って出てきた木屑)が見つかっています。

現在、屋敷林にはカシナガの生息状況を調べるために、約50個のトラップ(わな)を仕掛けています。トラップには触らないようにお願いしたします。

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(山田)

2020年4月25日 (土)

オトシブミの揺籃作り

関さんの森の屋敷林(旧こどもの森)、少しずつ維持管理作業をおこなっています。この日も会員がひっかかった枝をいくつか除去しました。散策されていた方が手伝ってくださいました。ありがとうございます。
それでも、まだまだ残っています。散策される方は、じゅうぶんに気をつけてください。

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さて、屋敷林には湧水池がありますが、ほとりにエゴノキが1本生えています。いま、このエゴノキでは、オトシブミ(エゴツルクビオトシブミ)が揺籃をつくっています。
揺籃とは、オトシブミが葉をまるめてつくるもので、中に卵が入っています。孵化した幼虫は、この中でゆらゆら揺られながら、まわりの葉を食べて育ちます。

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この日、揺籃をつくっている様子を観察しました。
見つけたのは9時30分でしたが、すでに葉の上部の切れ込みは終わっていました。

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その後、10時から葉を巻き始め、完成したのが11時20分でした。

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(山田)

2020年4月14日 (火)

屋敷林のお散歩は安全に気をつけて・・・

昨年秋の台風により、屋敷林(旧こどもの森)は大きな被害をうけました。育む会は埼玉県生態系保護協会とともに、倒れた木や折れた枝などの処理を続け、散策路の整備を続けてきました。
森は現在も散策することができますが、まだ折れた枝が木にひっかかっているところが残っています。

一方、新型コロナウイルスの関係で、松戸市からは里山保全団体に対し、活動自粛が要請されました。育む会では、月2回の定例作業は当分の間中止としますが、散策路の整備など緊急度の高い作業については、今後も必要最小限の人数で継続していきます。

さて、新型コロナウイルスの関係で、屋敷林(旧こどもの森)を散策される方が増えているように思います。
当面の対策として、屋敷林の2つの入口に、下のような看板を設置しました。散策される際は、じゅうぶんにお気をつけください。ご協力をお願いいたします。

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南口に設置した看板です。北口にも看板が設置してあります。

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通行できる散策路でも、危ないところには看板をたてました。

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奥の橋は腐朽がすすみ、危険です。修理が終わるまでは、通行禁止とさせていただきます。

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南口・北口以外にも、森に入れるところがありますが、危険なので、ここから森へは入らないでください。

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危険な枝を、長い竹竿を使って落している様子です(2020315日)。

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屋敷林(旧こどもの森)は、関家先代の関武夫さんが、都市化によって失われた自然の遊び場をこどもたちに提供しようと、1967年に松戸市を通じて開放したのがはじまりです。散策される際は、じゅうぶんにお気をつけください。

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(関さんの森を育む会)

2020年4月 6日 (月)

『思川桜』

関さんの森・熊野権現近くの『思川』が、見頃を迎えています。まだ五分咲き程度ですが、美しい桜です。
『思川』は、道路からもよく見えるので、解説板をつくり、ぶら下げてみました。

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関さんのお庭では、チューリップが咲きはじめました。背景は1785年に建てられた雑蔵(ぞうぐら)です。

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エノキの森では、芽吹いたエノキの若木をチェックすると、アカボシゴマダラの越冬幼虫がいました。

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屋敷林では、ウラシマソウが咲いていました。

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(山田)

2020年3月17日 (火)

ジロボウエンゴサク・アオキ

関さんの森の、春の植物の開花状況です。

「百年桜」(ソメイヨシノ)の開花は、まだです。

屋敷林では、ジロボウエンゴサクが咲きはじめています。何となく「ミッキーマウス」に似ています。

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アオキが開花。アオキは雌雄異株。雄花は4本のオシベのみでメシベは無い。

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雌花にオシベは無く、中央にメシベがある。

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ちなみに、アオキには赤い実ができるが、いびつな形であることが多い。

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これは、アオキミタマバエの寄生により果実が変形したもの。実を割ると、中からうじ虫(アオキミタマバエの幼虫)が出てきます。

 (山田)

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