関家の“混ぜ垣”
今日は臨時作業。関家の庭の草刈りや生垣の剪定をしました。
関家の生垣の樹種は、もとはヒメツゲです。しかし、風や鳥の糞で運ばれた種子から成長したものを排除せずに一緒に剪定してきたことから、今は多様な樹種を含む“混ぜ垣”となっています。
育む会の維持管理の基本理念の一つが“生物多様性”ですが、関家の混ぜ垣も“生物多様性を具体化したものと言えそうです。
たとえば、ヒメツゲだけだと、ヒメツゲを食べる虫しか現れません。関家の混ぜ垣は21種の木本から構成されているので、単一の生垣に比べ、単純計算で21倍の種類の虫が生息することになります。
この日は、混ぜ垣を構成するシロダモの若葉には、アオスジアゲハの卵が認められました。
また、エノキの小枝には、羽化直後のアカボシゴマダラがみられました。もっとも、アカボシゴマダラは“特定外来生物”ですから、それはそれで困ったことではあります。
参考までに、関家の混ぜ垣を構成する木本を多い順(おおまかに)紹介します。
植えた木…ヒメツゲ(もともとの生垣)、キンモクセイ(張り出した枝が生垣の一部を構成)
自然に生えた木…シロダモ、アオキ、ヤツデ、イロハカエデ、ケヤキ、エノキ、シラカシ、ヤマグワ、トウネズミモチ、カヤ、イヌマキ、ニワトコ、ビワ、シュロ、マサキ、ナンテン
自然に生えた木本性つる植物…キヅタ、スイカズラ、ビナンカズラ
さらに、関家の混ぜ垣には、カラスウリ、ヤブガラシなどの草本性つる植物がからみ、多様性を増しています。
(山田)